デパコスカウンターの思い出|約10年指名し続けた美容部員さんからのお手紙

ビューティー

昨年の今頃。一通のお手紙をいただきました。

差出人は某コスメブランドの大好きな美容部員の方。

その方には、10年近く同ブランドのカウンターにて接客していただいたのですが、惜しくも退職に伴い、お手紙を頂戴した次第です。

今回はそのお手紙と、その美容部員さんとの思い出について振り返ります。

仲良しの美容部員さんがいる方はもちろん、「デパコスカウンターで美容部員さんとお話しするのってなんか緊張する…」という方にもぜひ読んでいただきたいです。

大好きなブランドですが、ここでは念のためブランド名は控えさせていただきます。

なぜずっと一人の美容部員さんを指名していたのか

まずは、その美容部員さんを指名させていただくことになった経緯について、説明させていただきます。

美容部員さんとの出会い

私がその美容部員さん(以下BAさんと記載)と出会ったのは、高校1年生の頃。

当時見ていたTwitterで、偶然そのブランドのクリスマスコフレのツイートを見かけ、「なんだこの可愛いものは!化粧品!?」と衝撃を受け、カウンターまで見に行ったことがきっかけです。

しかし、我が家は高校生まで化粧禁止という方針。自分のお小遣いでもコスメが買えないことを分かっていた私は、試行錯誤の末「春から大学生になるお姉ちゃんにコスメをあげたい!」という言い訳を思いつき、呆れる母を引きずってカウンターへ向かいました。

そこで接客してくださったのがそのBAさんです。姉に贈る約3000円のリップグロス1本を選ぶだけにもかかわらず、丁寧に色味を説明してくださったことを今でも覚えています。

人生初のデパコス購入体験

さらにBAさんは色を決めてお会計をする前に「よろしければ同じものを塗って帰られますか?」と聞いてくださり…私は後ろで見守る母の許しを得て、案内された席に座りました。

そして、BAさんに初めてリップブラシでグロスを塗ってもらった瞬間、まるで自分がお姫様になったかのようなキラキラした気持ちになり、そのまま誇らしげに姉へのプレゼントを持って帰宅しました。

「また今度お買い物する時があったら今日お化粧してもらった○○さんがいいね」という母の言葉に大きく頷いて、私の初デパコス購入体験は幕を閉じたのです。

デパコスの虜になった私の宣言

それから数ヶ月後、あの日の夢のような体験が忘れられなかった私は、実家である宣言をしました

「大学生にならないと化粧したらあかんねんやったら、ウチの家で誰も文句ないくらい良い大学に受かって好き放題メイクするわ」

「だからもし私が大阪大学に受かったら、合格祝いにあそこ(ブランド名)のコスメをベースから口紅までフルラインで買ってほしい

両親は目を丸くしていました。当時の私の偏差値は大阪大学など到底合格できないレベルだったからです。

しかしあまりの勢いに「またなんか言ってるわ…まぁいいけど…」と二人も渋々了承してくれることに。大学受験まで1年以上もあるなか先に合格祝いを狙うなんて、我ながらなんてヤツだと思いますが、当時の私にとってはそのブランドのキラキラしたコスメたちとBAさんがかけてくれた魔法のようなメイクが思い出になっていたのです。

「阪大行ったら狂ったように化粧してやる!」これが受験生だった私の口癖でした。

美容部員さんとの感動の再会

それから2年後、無事どうにか大阪大学に合格した私は、スキップしたくなる足どりで再びそのカウンターを訪れました。

そこで高1の頃にお世話になったBAさんと再会し、初めてベースメイクからポイントメイクまで教えていただくことに。

「お母さまから、いつもお勉強をがんばっていらっしゃること聞いていましたよ!本当におめでとうございます!」

と薄っすら涙を浮かべながら、BAさんは私に微笑みかけてくださいました。

BAさんが自分のことのように喜んでくださったことも、私の受験勉強中に母がこっそりカウンターに通ってBAさんがまだいらっしゃるか確認してくれていたことにも感謝しかありません。

美容部員さんとのお別れ

それからあっという間に月日は流れ…気づけば私は大学を卒業して社会人3年目を迎えていました。

15歳の頃にお話しして以来、そのBAさんには度々カウンターで接客してくださり、そのときの悩みに応じたコスメをご提案いただきました。

しかし、仕事が忙しくなるにつれてカウンターへ行く機会が減り、私はそのまま体調不良に。徐々に回復し始めた頃、久しぶりにカウンターへ立ち寄ると、そこに大好きなBAさんの姿はありませんでした。

そして同僚の方から「既に退職した」という事実を教えていただき、心にぽっかりと穴が空いてしまいました。

お手紙をいただいた経緯

しかし、退職を知ると同時に受け取ったものが、そのBAさんが書いてくださったお手紙でした。直接ご挨拶ができなかった代わりに、同僚の方にその封筒を預けてくださったようです。

なかには、私が大学に合格したことをはじめ、これまでカウンターでお話しした内容が便箋2枚にわたって綴られていました。

「何度か仕事を辞めようか悩んだ時期がありましたが、○○(私の名前)とお会いできなくなると考えると続けようと思えました」

という一文を拝読したとき、私は涙が止まりませんでした。

直接お礼をお伝えできなかったことは心苦しいものの、退職される数ヶ月前に「合格祝いで購入して以来ずっと使っていたアイブロウパウダーがさすがに使えなくなったので新調したいんです!」とお伝えして接客していただけたことは、最後の忘れられない思い出になりました。

大学に合格したとき、大学生になり必死にアルバイトをして新作を買いに向かったとき、恋人と別れてストレス発散しようと立ち寄ったとき、社会人になってから癒しを求めて訪れたとき。

いつも優しい笑顔で出迎えてくださり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

おわりに

私にとってご挨拶の代わりにできることがこうして記録に残すことだと思い、今回はBAさんとの思い出を振り返らせていただきました。

もし今後どこかで偶然そのBAさんにお会いできれば、直接この文章を読んでいただこうと企んでいます笑

BAさんがしてくださった素敵なメイクとキラキラとした思い出を胸に、今度は私も誰かにこのトキメキを伝えていきたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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